株式会社駒館石商のブログ更新担当の中西です。
今日のテーマは
【字堀り】
墓石の文字掘り(刻字)は、墓石に故人の名前や戒名、没年月日、家紋、墓碑銘などを彫り込む工程です。
この技術は長い歴史を持ち、文化や地域によって異なる特徴を持つことがありますが、基本的な工程や彫り方はおおよそ共通しています。
墓石の文字掘りは職人による手彫りや機械を用いた彫刻が行われますが、どちらも細かな技術が求められます。
墓石の文字掘りの工程
デザインの決定
まず、墓石に彫る文字の内容と配置を決定します。
通常は故人の名前、戒名、没年月日、家紋などが刻まれます。
デザインの段階では、書体や文字の大きさ、位置なども重要です。
書体には、楷書体、行書体、隷書体などがありますが、家族の希望や地域の伝統によって選ばれます。
文字の原稿作成
文字の内容が決定した後、原稿(図面)を作成します。
この原稿は墓石のサイズや形状に合わせ、バランスを考慮して配置されます。
コンピュータを使ってデジタルで原稿を作成する方法が一般的になっていますが、手描きで原稿を作成する職人もいます。
文字の転写
原稿が完成したら、それを墓石に転写します。
転写は、紙に印刷した文字を墓石の表面に貼り付け、彫るべき部分を正確に示す方法です。
これによって、職人が文字を彫る際のガイドラインとなります。
彫刻(手彫りまたは機械彫り)
墓石への文字の彫り込みは、主に2つの方法で行われます。
•手彫り: 伝統的な方法で、職人がノミと金槌を使って一文字一文字を彫っていきます。
手彫りには熟練した技術が必要で、文字の深さや太さを細かく調整しながら進めます。
手彫りは力強く、温かみのある仕上がりになることが特徴です。
•機械彫り: 現代では、機械を使って墓石に文字を彫る方法も一般的です。
コンピュータ制御の彫刻機を使用して、原稿データに基づいて正確に彫刻します。
機械彫りは効率的で、短時間で均一な文字を彫ることができます。
仕上げ作業
文字が彫り込まれた後、仕上げとして文字の部分に色を入れることがあります。
通常、黒や金、白などの色が使われ、文字をより見やすくするための処理です。
また、彫刻部分の表面を滑らかにするための研磨作業や、文字の輪郭を際立たせるための修正作業も行われます。
墓石の文字掘りに使用される道具
•ノミと金槌
手彫りの場合、これらの道具が使用されます。
ノミの種類には細かい文字用のものや、広い面を削るためのものがあります。
•コンピュータ制御の彫刻機
機械彫りでは、CNC(コンピュータ数値制御)マシンなどの彫刻機が使われます。
これにより、精密で均一な文字の彫刻が可能です。
•塗料や筆
文字を塗りつぶすために使われます。
耐候性に優れた専用の塗料が使用され、風雨にさらされても長期間色が保たれます。
墓石の文字掘りは、故人をしのび、後世に伝えるための重要な作業です。
手彫りと機械彫りという2つの技術があり、それぞれに特徴と美しさがあります。
文字の内容やデザイン、彫刻方法を慎重に選ぶことで、長く残る墓石を作り上げることができます。
後世へとつなぐ大切な墓石。
ご相談から承っています。